皆さんこんにちは!今回は鹿児島に関するいろんな数字について解説します。いろんな数字、つまりは統計です。統計と言うと難しいイメージがありますが、今回は人口の例を用いながら分かりやすく解説していくので、最後までご覧ください。
RESAS
今回使う統計資料はRESASと呼ばれる国が提供しているオープンデータです。
RESASでは産業構造や人口の増減などをヒートマップやグラフなどを使って分かりやすく可視化してくれます。統計局でもオープンデータを提供してはいますが、本当のデータだけで可視化するにはExcelなどのツールが必要です。RESASは「誰でも統計データを使うことができる」を実現してくれるツールです。ぜひ、一度ご活用ください!
鹿児島の人口
統計と言うと人口、年齢、賃金などが最初に思い浮かぶでしょうか。ここでは鹿児島の人口を他の九州の県と見比べていきます。2023年現在の鹿児島の人口は155万人ほどです。九州の県の人口で比べると鹿児島は第三位に位置しています。
順位 | 県名 | 人口(2023年時点) |
一位 | 福岡 | 5,103000 |
二位 | 熊本 | 1,709,000 |
三位 | 鹿児島 | 1,549,000 |
四位 | 沖縄 | 1,468,000 |
五位 | 長崎 | 1,267,000 |
六位 | 大分 | 1,096,000 |
七位 | 宮崎 | 1,042,000 |
八位 | 佐賀 | 795,000 |
次に、鹿児島県の人口を時系列でみてみましょう。
上記のグラフは鹿児島の出生者数・死亡数などを表した線グラフです。
青色の線が総人口を表しており、2000年代から急激に総人口が減少しています。これは他の色の線グラフを見てもらうと分かるとおり、「出生数が死亡数を下回る」つまり自然減が、「転入数が転出数を下回る」社会減が同時に起きてしまったため急激な現象を引き起こしたことが分かります。
そして、2050年には人口が120万人を下回るとされています。現在の人口が155万人ほどなので30年間で35万人減少したことになります。また、鹿児島では若者の大学進学による県外流出や高卒の県外就職率が44%(2018年時点)と全国1位となっています。このことから人口の減少が特に激しいのではないかと言われます。
次に鹿児島の自然増減・社会増減の推移です。自然増減とは「出生数-死亡数」の数値のことであり、プラスであれば「自然増」、マイナスであれば「自然減」であると言います。社会増減は「転入数-転出数」でありこちらもプラスであれば「社会増」、マイナスであれば「社会減」であるといいます。1960年代は自然増ですが、社会減であるので結果的に人口減となっています。1960年代は高度経済成長期で人口が地方から都市部に流出する傾向にありました。鹿児島もその例です。そのあとは人口増が続いていましたが、2000年代になってからは自然減や社会減になり、人口減になっています。
次に鹿児島県にある市の人口です。
鹿児島県の中でも一番住んでいる市は鹿児島市で、59万人ほどが住んでいます。その次に住んでいる人が多い市は霧島市で、10万人ほどとなっています。
順位 | 市 | 人口(2020年時点) |
一位 | 鹿児島市 | 593,128 |
二位 | 霧島市 | 123,135 |
三位 | 鹿屋市 | 101,096 |
鹿児島市の人口について詳しく見てみましょう。
総人口は2010年をさかいに減少し始めています。黄色の線が出生数、緑色が死亡数で現在は差が広がっています。「転入数-転出数」がほぼ0に近い値、「出生数-死亡数」がマイナスになっていることを見ると鹿児島県全体の人口減少の傾向にあると言えます。
鹿児島市の自然増減・社会増減の推移です。こうしてみると2020年代は自然減の傾向があります。一方で社会増の傾向があります。社会増であることは転入数の方が多いことを示しています。鹿児島に移り住む人が多いということです。
(株)九州研究所によると、もともと2015年から急にUターン(地元回帰)に問い合わせ件数が増えたようで、地方移住の動きがありました。2020年のコロナ渦での問い合わせは2019年の問い合わせに比べて約25%増加したそうです。
このことはコロナ渦が地方移住の関心を高めたのではないかと言われています。
また、転入者の1/4がUターンであり、Uターンした転入者の就業は「移住後に勤めている」が5割で「テレワーク」は2割と幅広い業種でUターンが浸透・拡大しています。
鹿児島の統計について
今回は鹿児島の統計、主に人口について解説しました。普段統計を見られない方、統計学が難しいと思われた方もいるかと思います。やはり自分の感覚だけでなく数字で物事を見ることも大事になってきます。
感情の部分を大事にしながらときには冷静に数字で判断する、そのような機会は多々あると思います。少しずつでいいですので数字で判断する力も養っていきましょう!
今後も鹿児島の統計について記事を書いていくのでぜひご覧ください!
参考文献
https://www.pref.kagoshima.jp/af23/documents/106753_20230606141702-1.pdf